私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。



「…ん?」



私の視線に気づいた華崎さんが、目の前に顔を持ってきて言う。



「白雪さん?」


その声にまた顔が熱くなった。


「な、何でもないです…」


「そう?」


私は溜息をつく。


…どうもこの学園は輝いている。


彼女にしても。彼にしても。


なぜに一日目でこの進歩。


驚異的すぎる。


「白雪さん…」


「あ、はい」


顔を上げると華崎さんの顔。



「華崎さん…どうしたんですか?」


「夢野。いや…夢でいいから」



ね。とまたあの笑顔。



反則だ。

女子にこの効果。




男子にした時の効果が見てみたい。
< 29 / 41 >

この作品をシェア

pagetop