私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。
「…ん?」
私の視線に気づいた華崎さんが、目の前に顔を持ってきて言う。
「白雪さん?」
その声にまた顔が熱くなった。
「な、何でもないです…」
「そう?」
私は溜息をつく。
…どうもこの学園は輝いている。
彼女にしても。彼にしても。
なぜに一日目でこの進歩。
驚異的すぎる。
「白雪さん…」
「あ、はい」
顔を上げると華崎さんの顔。
「華崎さん…どうしたんですか?」
「夢野。いや…夢でいいから」
ね。とまたあの笑顔。
反則だ。
女子にこの効果。
男子にした時の効果が見てみたい。