私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。


「――……勘」




「適当に言わないでっ…」




「……じゃぁっ!」




バンッ







夢が立ちあがると同時に聞こえた、鈍い音。








「姫ちゃんが直接、聞けばいいじゃないっ」





「ゆ、め…?」






私が恐る恐る近付くと、夢ははっとしたように私を見た。








「…ごめん……」














泣きそうだった。
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