続・危険なキス
 
「川崎さん、すみません。
 迎え、来てくれたみたいなんで」

「え?迎え?」


あたしの言葉を聞いて、その視線をたどる。

そして目の前に停まっている車を見た。


「あー……そっか」
「はい。じゃあ……」


あたしはぺこりと会釈をして、窓も開かないその車へと近づいた。

助手席に回って、そっと扉を開けると……



「……」



想像した通り、
物凄く不機嫌な顔をした湯浅先生が乗っていた。



「迎え……来てくれたんですか?」

「……ああ」



受け答えは、ごく普通。

だけどピリピリと醸し出すこの不機嫌オーラをどうにかしてもらいたい。


車は、そのまま発進した。
 
< 13 / 344 >

この作品をシェア

pagetop