続・危険なキス
13章 弱虫
 
遠くなっていくテールランプ。


いつもなら、あたしが家の前まで行くのを確認してから発進される車は
あたしが車を降りてすぐに走り出す。


角を曲がった車は、やがてあたしの前から姿を消した。



「……っ」



途端に襲われる絶望。



どうして…?
なんで……?



ようやく美香さんとのことで不安もなくなり、これからはもっと先生のことを信じていこうと思った。

それなのに突然告げられた別れ。



耳がおかしくなったのかと思った。

脳がおかしくなったのかと思った。


そうであればいいとさえ思った。


だけどあたしの願いは虚しく、何もかも正常に機能する自分の体。


現実を突きつけるように、
あたしの携帯に、先生からの連絡がくることはなかった。
 
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