続・危険なキス
 



「母親、大丈夫か?」

「はい。さっき連絡入れておいたので大丈夫です」


時間は夜の9時をまわったところ。

先生は、今度こそ車であたしの家まで送ってくれて、家から少し離れた場所に車を停めていた。


「悪かったな。
 大人気ねーことして」

「ふふっ……。
 でも嬉しいですよ。先生に嫉妬されるの」

「……うるせぇ」


あたしの返事に、バツの悪そうな顔をする先生。

あたしよりもずっと年上なのに、そういう顔をされると可愛いって思ってしまう。



「先生、明日日曜日ですよ?」
「そうだな」
「バイト、入れてないです」
「へー」


あたしが何を言いたいかなんて、先生は分かってる。

だけどそれ以上言ってはくれない。


あたしもあまり素直な性格じゃないけど、今日は先生がいっぱいヤキモチを妬いてくれたから、今度はあたしが口を開いた。
 
< 19 / 344 >

この作品をシェア

pagetop