続・危険なキス
 
マンションの前の石段に座り込むあたしを
道行く人がチラ見をしては通り過ぎていく。


携帯を握り締め、ただ先生からの返しがあるのを待っていた。


何度も電話をしようと思ったけど
きっとそれじゃダメで……。

先生が、自ら踏ん切りをつけてきてくれないとダメなんだ。



「はぁ……」


手袋持って来ればよかった。


3月の夜は、真冬が過ぎ去ったと言ってもまだまだ寒くて
手袋を忘れたあたしの手は、悴んで指もまともに動かせない。


このまま眠ったら、凍死するかも……。


そんな域の寒さだった。



「………ねぇ」



そんなとき、ふと頭上から声が聞こえた。

寒さでうまく動かせない頭を、ゆっくりと上げた。
 
< 200 / 344 >

この作品をシェア

pagetop