続・危険なキス
 
「……ちっ…」


美術室を出てしまえば、そこはもう廊下で、
他の生徒も歩いている。


そうなってしまえば、強引に迫ることなんかできない。


仕方なしに、少し間を空けて美術室を出ると、ちょっとだけ離れたところに紫乃の姿があって……



「湯浅先生」



いつもの、優等生の顔をした紫乃が俺を見上げる。



「放課後の課外授業……

 よろしくお願いします」



と、魔性の笑みを残して去って行った。




「……」



いつも女を振り回してた。

だけどいつの間にか、俺が振り回される立場になってて……




「柊さん。

 スパルタですよ」


「……っ」




悔しいから、
今日は絶対に手を抜いてやんない。




            ~fin.~
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