続・危険なキス
「戻ろう」
「え、声かけなくていいの?」
「いいの。あれはお互いにまだ他人のふりでいいってことのサインだから」
「……そうなんだ…」
あたしの答えに、イマイチピンときていない沙樹。
奏人は完全に、あたしの反応を見るためにここに来ているだけ。
だから飲み会から、かっさらおうとか、中断させようとか思って入るわけじゃない。
でもうちのサークルの人たちの酒癖が悪いのを知っているから
何かあったときのためにいるのかもしれない。
そのまま席に戻って
すでに出来上がっている先輩たちから遠ざかる。
イケメンのところへ行って来いと言いながら、すでにその先輩は酔いすぎてて、あたしたちのことには気づいていないようだった。
なるべくお酒を飲まない、落ち着いた先輩たちと一緒に、飲み会を再開して、お開きを待った。
「はーい。じゃあ、そろそろお開きにしよー!」
部長が声をかけて、お金を集めてからの会計。
お店の外で、それぞれ会計が終わるのを待っていた。
「しーのーちゃん!」
来た……。
後ろから聞こえるその声に、うんざりしながら振り返った。