続・危険なキス
「でも紫乃ちゃんの彼氏って、どんな人なの?」
「え……」
お互いの帰りの身支度を済ませ、店長に一言言ってから店を出た。
さっきまでの凛とした表情をする美香さんはもういなくて、ガールズトークを楽しむような美香さんがはしゃいでいる。
「どう、って……
仮面男、ですかね……」
「え、何それっ」
あたしの返答に、面白そうに笑う美香さん。
っていうか、学校以外で先生が誰かに会った場合、いったいどっちの先生になるんだろう……。
そんなことを思いながら、辺りを見渡すと、少し離れたところに見覚えのある車が停まっている。
そしてその車にもたれかかりながら、背を向けている先生。
ほんのりと煙草の煙の匂いがするところから、きっと今、車から降りて煙草を吸っているんだろう。
「一応、アレ、です」
「え!?」
ここまで来て、会わせないのはおかしいと思い、あたしは背を向ける先生を指差した。
美香さんは、興奮状態であたしの指差す方向を見ている。