続・危険なキス
 
「……先生」
「え?先生?」


つい、いつもの呼びかけで先生を呼んだら、やっぱり美香さんが首をかしげる。

先生も、あたしの声に気づいて振り返った。


暗がりの中、まだはっきりとお互いの顔は認識できないけど、そのシルエットだけで先生だと分かる。


「もしかして、禁断の関係なの?」


一人興奮状態で、美香さんがあたしに耳打ちをする。

そんなあたしたちを見て、先生は少しだけめんどくさそうに煙草をしまうと、あたしたちのもとへ歩み寄ってきた。



近くに寄ることで、暗がりではっきりとしなかった先生の顔が、街頭に照らされる。

一瞬だけ、やっぱりすごくめんどくさそうな顔をしていたと思ったけど、すぐにその顔をいつもの仮面をつけ微笑んだ。


だけど……






「………奏人…くん……?」






隣にいた美香さんが
目を大きく見開いて先生の名前を呼んだ。
 
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