続・危険なキス
 
「……だ…って……しかたない、じゃんっ……」



じわりと浮かぶ涙。


あたしだって、先生が美香さんと会うなんて嫌だ。

だけど必死に懇願する人を断れるほど、冷たい人間にもなれなくて
「大丈夫」「信じてる」という言葉を、平気なふりして言える性格。


麻衣子が楠木を好きだって言ったときも
楠木の気持ちを確かめる前に、あたしは自分から逃げた。


でも……


あの時とはまた別で……

美香さんは………




「あたしだって……

 会ってほしくなんかないっ、よ……」




「最初からそう言えっての」




俯いてポロポロと涙をこぼすあたしを
温かい腕が包み込んだ。
 
< 62 / 344 >

この作品をシェア

pagetop