続・危険なキス
 
全速力で走った。

運動会や体育の時間でさえ、こんなに必死に走ったことないのに
今持つ自分のありったけの体力を使い切るくらい、必死に走った。



「はぁっ……はぁっ……」



息切れはすぐにやってきたけど
そんなのはお構いなしに走り続け



「……ぃっ……」



限界を感じた足がもつれ、あたしはその場に泣き崩れた。




(俺も……

 お前を忘れたこと、なかった……)



さっきの先生の言葉が頭の中でリピートされる。


思い出したくもない。
だけど頭から離れない。



「や、だ……嫌だよっ……せんせっ……」



どうか、お願いだから……

あたしから離れていかないで……。
 

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