金色・銀色王子さま
香織は美人だ。
クールビューティーといったところだろうか。
綺麗にお化粧し、洋服も自分に合った綺麗めスタイルだ。
対照的に、ファンデーションにマスカラ。
チークを付けたいところだがマスクを付けると落ちてしまう。
そんなんだから余計に香織が羨ましくなる。



「ねぇ~麻衣、今日何時に仕事終わる?私、明日休みだから飲みに行きたいの!」

「今日は19時だけど片付け終わってないし…でも、まっいいか」


引っ越し作業やらなんやらで飲みの誘いは久しぶり。
そうして香織と話を弾ませながら、香織の爪に綺麗なピンクのグラデーションとスワロフスキをポイントで散りばめて今日も香織にとって大満足の仕上がりに出来た。


一度別れて昼休憩を取ったあと、3件こなし予定通り19時に上がれた。
いつもの居酒屋で香織と待ち合わせ。
27歳になると、行きつけの居酒屋が出来るのだ。
こじんまりとしたアットホームな空間で、女子でも気兼ねなく入れるオシャレな店。


カウンターに座るとまたいつもの通り、
「うーんと…生2つ!あ、中ジョッキね!」
なんて言い出す。

つまみは漬け物と枝豆。たまに軟骨の唐揚げとか、フライドポテトが加わったりする。


.
< 11 / 143 >

この作品をシェア

pagetop