金色・銀色王子さま
「麻衣も早く彼氏作んなよ?忙しいのは分かるけどさ~」


香織が心配するのも無理はない。
彼氏いない歴5年、元カレの浮気が原因で別れた。
最後まで一ミリも気付かなかったから、それを知ったのショックは計り知れなかった。
信じてたからこそ、余計に。
そうして消極的になった今、独り身の気楽な過ごし方を覚えてしまった。
周りは結婚したり、子供がいて家族がいて。

ほら、こうしてるときにも見回せばカップルは必ずいる。
幸せそうに見つめあって、きっと将来の事を話してるんだ。それが当たり前だと思ってたから。
裏切られた瞬間から、自分は誰かとの未来なんて想像していけない人なんだ。



「羨ましいとは思うけど…私は独りでいいの」

そう言い返すけど、本当は寂しい。
紛らすように目の前のビールを飲み干し、今度は自分からマスターに追加のアルコールを頼んでしまった。






………………それから、見事に記憶がなくなっていった。。


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