金色・銀色王子さま






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勢いでカイトをデートに誘ってしまった。
いつもより…いや、いつも以上に優しい笑顔。疲れてるのかな?と一瞬思ったけど、それでも笑って“いいよ”って言ってくれた。
約束した日まであっと言う間に過ぎていく。あーどうしよう。何着て行こう?ネイルは明日にでも新しいのに替えようかな…なんて考えていると、水族館以来の香織からの連絡。


【久しぶりに飲みに行こうよ!龍之介くんのところでさ】

迷ったけど、ちょっとだけなら。
もちろん、明日は約束の日だからソフトドリンクで付き合う。香織も何だかソワソワしてることは、メールの絵文字の多さが物語っていた。
待ち合わせの場所に行くと、もう香織は待っていた。ニーハイブーツに、タイトスカート。
相変わらずおしゃれだ。
麻衣の案内で、龍之介が働くバーに。
早くもイルミネーションが飾られていて、冬の訪れを感じさせる。
賑わう店内に、やっぱりひと際彼はオーラを放っていた。



「あっ、龍之介くん!」
香織は片桐を見つけるなり、速攻声を掛けた。
磨いたグラスを手に取った片桐は二人を見るなり、落ち着いた態度で”お客様”として席に案内してくれた。








「片桐くん、かっこいいよね~…ほんとに」
うっとりしながら見つめる香織。
確かに今日も片桐ファンの子がカウンター席を陣取ってる。
それを見るボックス席の二人。宣言通り、麻衣はウーロン茶を頼んだ。



「お久しぶりですー!」
年下君…、いや今は店長の彼氏の悠太くん。
笑顔で飲み物を持ってきてくれた。
年下の男の人を可愛いと思う度、自分が立派な大人だと思い知らされる。


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