金色・銀色王子さま
「…これ、良かったら」
そう分からない置かれたのは、クラッカーにカマンベールチーズ。黒コショウにオリーブオイルがかかっている。
「え?これ…」
「わぁ~!美味しそうなんだけど!でも龍之介くん、うちら頼んでないよ?」
「久しぶりご来店の記念にどうぞ」
…すごく美味しそう。見た目も可愛いし。
「…だ、そうですよ♪」微笑む悠太くんと、嬉しそうに手をつける香織に続いて麻衣も好きなクラッカーを選んで口に入れた。
「…美味しい!」
チーズとオリーブオイルの相性は間違いない。
そこにピリ辛要素が加わって思わずお酒が飲みたくなる。
思わずほころんでいると、片桐と目があった。
「お酒、飲まないの?まだ禁酒中?」
「え?あー…うん」
白いシャツに腰掛けエプロン。
やっぱり片桐は、格好良すぎて戸惑う。
こんな人が、水族館に行ったあの日私を“可愛い”と言ったなんて…。
いやいや!でも、今もこうして普通に接してくるからやっぱり冗談だったのかもしれない。
『冗談でこんな事言うかよ』
……分からない、片桐のこと…
クラッカーをつまみながら自問自答していると、上機嫌な香織が口を開いた。
「あっ!そう言えば龍之介くん、麻衣から話聞きました??」
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