金色・銀色王子さま
カイトは仕事モードだったせいか、目があって数秒固まってからパッと顔を明るく見せた。
今日も相変わらず、格好いい。



「お~麻衣ちゃん!なんでココって分かったの?俺、教えてたっけ?」

棚にCDを並べていたところで、丁度最後の一枚が棚に入ったところだった。


「いやー…うん、莉奈さんに…聞いたの」


「あー…そうなんだ」





カイトは分かりやすい。
ここ何日間ですごく分かってきた。
隠し事は出来ないこと。
素直に、生きていること。


麻衣は笑っておどけた顔を作って見せた。


「昼間、お店に来てくれてね。色々話して楽しかったんだー。すごく、綺麗な人だね」


「…ふっ、俺の“姉”には見えないでしょ」


「そんなことないよ、莉奈さんはカイトのこと心配してたよ」


「…死に際に、親に託された義理の弟だもんな。そりゃ心配するでしょ」


「…カイトは莉奈さんと幼なじみで居たかったんだよね?」



麻衣に背を向けるカイトの後ろ姿が少しだけ強ばったた。







「カイトは莉奈さんのこと、好きなんだよね」




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