好きなんて、言えるかよ。


「冷たいね。

前はもっと可愛いかったのにな

誠くん、誠くんって言ってさ」


「やめて!前の話はもうしないで……!」


なんで誠くんがそんな事言ってるか分からない。


まるで私のこと、からかってるみたいにそんな事言ってきて


もう、この場所から離れよう

そう思った時


「やば、ごめん仁菜

顔、隠させて」


誠くんはそう言うと、私の事をぎゅっと抱きしめてきた。


……!?!


ふわりと香る誠くんの香りが

付き合っていた頃、優しく抱きしめてくれたのを思い出す。


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