好きなんて、言えるかよ。
やだ、やだ。
こんなの嫌なのに、
ドキドキと心臓はうるさくなり出して
私の顔を赤くさせる。
やがて、バタバタと足音がしたのと同時に
いつも誠くんと一緒にいる彼女がここを通り過ぎると
「助かったよ、仁菜。」
私を解放した。
彼女がいるクセに、私を抱きしめる彼は
人のことをなんだと思ってるんだろう。
「仁菜の温もり、久しぶり。
相変わらず温かいな」
そうやって、私のことからかって
反応を見て楽しんでるんだろうか。