好きなんて、言えるかよ。


「好きだから行ったんじゃないよ

ただ心配だったから行ったんだよ」


私がそうやって言うと

高村は自分の頭をくしゃっとして言った。


「……っの、お人好しバカ

すげぇ焦ったじゃん。

絶対、より戻したんだと思ってた」


「より戻さないよ

だって私が好きなのは……


高村……だから……」


小さい声で言って

恥ずかしくなって高村の胸に顔をうずめると


「もうお前駄目

それ、可愛いすぎだから」


と言って強く抱きしめた。
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