浮気男よ、散れ






私が銀杏を潰しているせいでここら辺は臭うだろうに、

それでも傍から離れず見ている三神君。




時々、私が人のやらない事を突発的にやると、

こうやって様子を見に来ては柔らかく笑っている。



―そういうところが好き―



以前そう言っていたが、


自分で言うのもアレだけど、三神君の好みって変な気がする。



周りが自分の女らしいところを出す完璧な女性ばかりだったから、

こういう平凡なのが珍しいのだろうか?





しかし、あの頃より…

女子に囲まれていた時より柔らかい笑顔を見せるようになった三神君。


女子と居ても『ああ』って言うだけだったり、無表情だったり、カッコつけた顔だった時の方が多かったから、

今私と居るようになって、自然なフニャッと柔らかい笑顔が増えてきたから、

それだけ私が一緒に居る意味があるのだなと実感できて嬉しい。








…………そろそろ……








「ねえ、三神君」




「ん?」









「流星って呼んでも良い?」







 

< 57 / 64 >

この作品をシェア

pagetop