不器用男子の、恋。


でも、もう何でもいい。


今は七星と向き合えるこれとないチャンスかもしれないんだ。


カッコ悪くても、すがってやる。


「好きな女にコクられて付き合えたと浮かれてたのに、1ヶ月でフラれて。ショック以外の何物でもねぇし。今も俺は七星のことが好きなんだよ。だから……」


……俺たち、やり直せねぇか?


言葉は喉まで出かかっているのに、出てくれない。


やり直してぇんだよ……っ!


「…………ウソッ!」


「……は?」


突然叫んだ七星を見ると、七星は大きな目をさらに大きくして、涙で濡れた瞳に俺を写している。


「いいい今、す、好きって……っ?わ、私?」


「……当たり前だろ?他に誰が」


「ウソ……っ、これ、夢っ?夢っ?」


七星が慌てている理由がよくわからなくて、俺は首を傾げてしまった。


でも、おろおろしている姿は殺人的なかわいさだ。


……たまんねぇ。


もうめちゃくちゃかわいくて、一気に我慢の限界が来た。

 
< 22 / 26 >

この作品をシェア

pagetop