不器用男子の、恋。
「そんなの、無理だよ……っ!」
「っ、……だよな」
力一杯言う七星に、ガツンと頭を殴られたような気がした。
キッパリと清々しいくらいに断られたし……
超へこむ……。
「……もう西崎くんのこと、こんなに好きなんだもん!これ以上好きになるなんて……無理だよ……っ!」
「っ!?」
七星の口から飛び出してきた「好き」という言葉に驚いてしまった。
だって。
「……俺のこと、嫌いなんじゃ」
「そんなわけない!西崎くんのことがすごく好きで、ずっと隣にいれたらって思ってた。でも西崎くんは気持ちを言ってくれたことないし、仕方なく付き合ってくれてるんだろうって。話し掛けても目逸らすし!」
「……七星がかわいすぎて直視できなかったんだよ」
「!?そ、それにっ雨の中、カバン持たされた上、全力疾走だし!」
「あ、あれは七星が濡れないようにって急いでたし、カバンは雨避けになればって」
「溜め息もついてた!」
「……あぁ、七星にムラムラした気持ちを落ち着かせようとしてただけで」
「ムラ……っ!?」
「あ、いやそれは忘れろ」
何口走ってんだ、俺。