不器用男子の、恋。


「……極めつけは、他の女の子に“お前と付き合ったら楽しい”って……だから、私といるのは楽しくないんだって!だから、別れる決心したの!」


「いや、それ全部勘違い……」


「っ!」


勢いのままに言葉を出していた七星が、俺の突っ込みに言葉を飲んだ。


「それに……付き合う理由なんて1つだろ?」


「!」


「俺は七星がずっと好きで、コクられた時はすっげぇ嬉しくてどうにかなりそうだった。毎日超幸せでさ」


「~~っ、何だったの?ずっと悩んでたのに……!もぉぉ!西崎くんはわかりにくいよ……!」


「!!」


全く痛くないけど、俺の胸を悔しそうにバシバシと叩く七星。


どうしたらいいかわからなくて、その手を取ってぎゅっと握り、謝ってみた。


「……ご、ごめん?」


「っ!ズルい……っ、もうっ」


「ごめんって……」


うーっと唸る七星を恐る恐る抱き締める。

 
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