【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
勇吾は少しこっちに歩いて私とのキョリを縮めた。
「俺、想像以上に独占欲強いかも」
「え……?」
「俺、もう心瑠にしか興味ねぇ。他の女と普通に話すのがイヤになるぐらいに」
ドキッ―――
私の心臓の音が勇吾に聞こえてしまいそう。
「心瑠のこと好きすぎてどうにかなりそうだわ」
勇吾はそう言って私の顎を手でくいっと上げて、顔を近づけてくる。
「……っ」
こ、これはキスされる……!
「ちょっと、こんなとこでイチャつかないでくれるかな?」
そんな声が聞こえて、勇吾は私から顔を離した。
「………っ蒼空!」
さっきの声の主は蒼空だった。
そ、蒼空にキスしようとしてたとこ、見られちゃった……!