【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言






「さんきゅ、心瑠」



「どういたしまして」



心瑠が藤堂蒼空にこの店でほんのさっき買ったらしきチョコを渡していて、そんな会話が聞こえてくる。



チョコ……渡したのか?
アイツの今さっきの「さんきゅ」はチョコのお礼の言葉なのか?




「……っ」




なんで……なんでアイツといんだよ……。
しかもチョコあげてんのかよ……っ。




俺は来た道を引き返して、2人にばれないように遠回りして帰った。




期待してた俺って……。




「バカみてぇだ……っ」




唇を噛みしめ、家にトボトボと帰った。




ベッドに寝転び、さっきの2人の様子を思い浮かべていた。




「アイツ……藤堂蒼空……なんなんだよ」




アイツのさっきの笑顔が、俺の嫉妬心を奮い立たせる。




「もう、知らねぇ」



俺はそのまま、眠りについた。
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