【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「俺の方が疲れたっつーの」
そう言ってまた机に向かった。
「蒼空……ありがとう」
「なんだよ急に」
「蒼空が本当のお兄ちゃんだったらいいのにって思っただけっ」
蒼空がお兄ちゃんだったら楽しいだろうな……。
「お兄ちゃん、か」
ポツリと儚げにつぶやく蒼空。
「ん?どうかした?」
「別に。雷も止んだし、さっさと帰れ」
「えーっ!!!ここに泊まりたいーっ!!」
「ダメ。絶対ダメ」
むぅー………蒼空のケチ。
「え~……いいじゃん、今日ぐらい……」
「文句言ってないで帰れ」
結局、蒼空に追い出され、帰ったのだった。
「あーあ、もう少し蒼空の部屋を堪能したかったなぁ」
誰もいない自分の部屋でつぶやく。
まぁいいや、また雷が鳴り始めたら困るしさっさと寝よう。
ベットに寝転んで私は目を閉じた。