【完】腹黒王子の一途な溺愛宣言
「あぁ……じゃあ青山のやつ借りるわ」
野田は少し不服そうに俺のノートを受け取った。
………よし、成功。
「ふぅー……」
椅子に座って脱力する。
「青山くん、ありがとうございます」
心瑠が少し申しわけなさそうに頭を下げる。
「なんで?」
「いや、私が昨日の化学で寝てたこと、気づいててくれたんですよね?ノート途中までしか書けてないことをわかって、気をつかって自分のノートを野田くんに………」
野田には聞こえない、小さめの声で言った。
……そういえば、心瑠寝てた気がする。
でも、全くそんなの意識してなかったし。
……まぁ、そういうことにしておこう。
「まぁな。感謝しろ」
「はい!本当にありがとうございます!」
心瑠の笑顔にやられたのは言うまでもない。