ぼくはネコ
白い箱
ニンゲンにも、大きなのと小さいのと、オトコとオンナがいる。

僕を抱いて走ったニンゲンは、僕にとっては凄く大きなニンゲンだけど、ニンゲンとしては小さなニンゲンだった。


「勝手に拾ってきてっ!どうするの!」


大きなオンナのニンゲンが、僕を抱いたニンゲンに怒っている。

僕を抱いたニンゲンは泣いていた。

ニンゲンは泣くと目から水を出すらしい。


「だって、びしょ濡れで可哀想だったんだもん。お母さん飼ってよ」

「ダメ!ここはペット禁止なの!」

「けど、ほら、可愛いよ」

「ちょ、近づけないで!汚い!」


ニンゲンのオンナが僕を睨む。

小さなニンゲンは、苦しくなるくらい僕を抱きしめている。

何を言っているかはわからないけど、ここは暖かい。
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