ぼくはネコ
銀色のクルマに乗ったニンゲンも、僕をいじめそうなニンゲンには見えないけど、声がわからないとはっきりとはわからない。

僕をジッと見る、ニンゲンのオンナ。

寄って行って撫でられたいけど、相手はクルマだ。


クルマには近付いたらいけない。


誰かにそう言われたことがある。

それに実際、何度か引かれそうな目にもあっている。


にゃー
降りてきてくれないかな
にゃー
撫でてくれないかな


クルマの中には僕の声も届かないだろう。

近付きたい。
けど、近寄れない。


にゃー
銀色から出てきてくれないかな


僕は何度もオンナに話しかけた。
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