生と死の狭間で
始まり
「…でね、その猫が黒猫かと思ったらなんと犬だったの!!
それで……ってちょっと!直哉、ちゃんと話聞いてる!!?」

……うるさい。


真っ白な壁と2つのベッド、それと質素な机と椅子しかない病室のなかには、普通の女子より少し高めの声が響く


耳につくその迷惑な声の主は長澤 憂希 【ながさわ ゆうき】

このおしゃべり女とオレが出会ったのはついさっきだ。
なのにこいつはまるで半生を共にした友人のようにしゃべり掛ける。

まったくもって迷惑だが、相部屋で他に病院内で行く所もないので、オレはベッドに寝そべりながら適当に相づちをうっている。

そもそも何故今まで風邪1つひいたことのないオレがこんな病室に入院する事になんかなったのか。
その理由は今からちょうど一週間前にさかのぼる……
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