生と死の狭間で
オレの名前は前田直哉【まえだ なおや】

背はたぶん平均よりちょっと高め。
ちょっと伸びた髪、腰パン気味に着崩した制服
何処にでもいる、今どきの高校一年生。


そして、オレのいく楠原高校は県内の偏差値断トツ最下位のバカ学校。


…しかしオレはそこまで頭は悪くない!!
いや、むしろ普通よりは良いぐらいだ。
親もそれなりの教育をして中学の時の塾ではトップをとったこともある。



なのに何故オレがこんなバカ学校にいるかというと、理由は簡単。
受験前日に友達にインフルエンザをうつされたから。

高熱にうなされながらも何とか試験は受けたが、何を書いたかまったく思い出せない位ボロボロで、当然期待していた結果は得られなかった。


しかも受かる気満々だったオレは滑り止めの高校は受けておらず、「男なら本命一本!!」と、豪語していた。



あぁ、あの頃の自分をマジで蹴飛ばしてやりたい。



そしてその後何とか見付けて来た、県内で唯一入れる学校こそが、ここ楠原高校だったのだ。

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