生と死の狭間で
「もう知るかよっ!」
オレはベッドに体をあずけて横になる。
そしてリモコンに手を伸ばしてテレビをつける。何時もの地デジではない妙に汚い画面が目につくが気にせず、適当にチャンネルを回した。

チラリと、横目であいつを流し見る。あいつは何もせずただぼーっ、と窓の外を眺めている。
漆黒の髪が夜風に揺れる。顔にかかる髪を払いもせずにただ、窓の外を眺めていた。

って、あんな奴のことは別にどうでもいいけど。

…ただ、ずっと窓の外を眺め続けるあいつから目を離すことが出来なかった。
ウザイとか病気とか、そんなもの関係無しに綺麗だ、と素直に思った。
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