ビバ!マジック~ドキドキ☆同士~
「よし。案の定クツは運動靴、と」

瞬也が満足そうにいう。

亜美なら「デートに運動靴?!」と怒りだしそうだけど、

これがあたしの標準装備だ。

そう思ったら緊張がだいぶほぐれた。

あたしはあたし。

いつもどおりにしてるのが一番だよね。

意外と海風が強かった。まだ明るいとはいえ、夕方はやはり肌寒い。

「とりあえず、相談はあとにして、中に入るからな。」

敵陣に乗りこむかのような口調で言った。

駅の改札のような入り口(エントランスと書いてある)が並んでいる。

瞬也の隣のエントランスから入ろうとすると、

「そっちじゃなくてこっちだって」

慌てて引き戻された。

変わんないじゃん、べつに。と思ったが、「エントランスは端の端」とぼそりと唱えたのが聞こえたので黙っておいた。

温和しくチケットを出すと、スタッフの人から半券を返された。

「行ってらっしゃい」

あっさり入り口を通る。

うっかり冒険のはじまりに手を出したとも気付かずに。
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