LOVE&FANTASY 嗚呼、結婚!(加筆修正版)
「嘘だろう?」


「嘘じゃない」


「正直に言えよ。嘘なんだろう?」


「本当だよ。なかなか恋をする機会が来なかったんだよ」


「ヘェー、そうなんだ。オトコに結構、モテモテなお嬢様が恋に恵まれていないなんて珍しいよね」


 苦笑いをする稔に、里美の心は穏やかではない。


「私を馬鹿にしてんの?」


「馬鹿になんかしてねーよ。お前の恋愛状況が、俺の予想していたのと違っていたから驚いているんだよ」


「どう違ってた?」


「お前の事だから、他に誰かイイ男と交際して早くからゴールインしているって俺はそう予想していたな。なのに実際は逆の状況だった。麻生里美を知っている人間だったなら誰でも驚くと思うよ」


「ゴメンね、予想に反してて」


< 43 / 267 >

この作品をシェア

pagetop