愛し*愛しの旦那サマ。


「臣は仕事でしょ?」

「ハイ。お正月休みも終わって、お仕事です」

「元気してる?連絡なんて滅多にとらないから」


お義姉サマがそう言うので、


「臣くんに連絡させましょうか?」


と、バリスタでエスプレッソをいれながら、言ってみる。

自分とよく似た、出来の良い、イケメン度麗しい弟を持てば可愛くて仕方ない―…


「ああ、いいの!いいの!アイツがいると嫌味ばっかり言われるから、仕事の日を狙ってきたの」


ってことは、お義母サマ同様にお義姉サマも無いみたいなのだ。


「だって、アイツ、会ってもそっけないし、弟のくせにからかいがいもないもの」


まったく嫌味な男なのよね~、とデルモ百合華は溜め息をつく。


弟にからかいがいを求めるものなのだろうか……

私の場合、八歳年下の妹しかいないんでよくわかんない……


そんなことを思いながら、お義姉サマにエスプレッソをお出しすると、


「そうそう、今日はね、コレを持ってきたのっ」


と、手に持つケリー様から、何やらごそごそと取り出す。


「とりあえず、参考までにねっ!」


出てきたのは海外ウェディングのパンフレット。


ばっさり。


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