愛し*愛しの旦那サマ。


「アンタと久々に会って、滝山くんと再会したって話を聞くのは構わないんだけどさぁ、途中で空想の世界にトリップするのはやめてくれない?」

まったく、新年に入っても、アンタは相変わらずね、

と、頬杖をついて、理沙子が私を見る。


「あ、ごめ~ん……」


ついつい~、と、あまり悪びれる様子なく形式的な謝罪をするワタシ。(リチャコ姉サン、コワイカラ)


「で、滝山くんと会った、ってのはわかったけど、その後は何なのよ」

「え?その後?」

「久々に再会したとまでは聞いたけど、その後、アンタが違う世界に行って薄気味わるい笑いを浮かべてたでしょ」

滝山くんとばったり会って何なのよ?一応、聞いてあげるから、さっさと簡潔に言いなさいよ。


と、コーヒーを飲みながら理沙子が言う。


えぇ。

その後?

その後のことは……


「理沙子ぉ、言葉にして説明するのがもったいなくて、言えないわぁ~」


ムフフフ……と、また口元を緩ませるワタシ。


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