愛し*愛しの旦那サマ。

理沙子が帰ってしまった後、私は夕飯の準備にとりかかる。

今日の夕食は、臣くんが出社してすぐにわざわざメールでリクエストしてくれたメニュー。

今朝、掃除をしながら理沙子が来るのを待っていると、携帯から“銀恋”が、流れてきた。

その着信音を聞いた私は持っていた掃除機を投げ出して、携帯に飛びつく。

“銀恋”は臣くんからのメール受信音。(チナミニ着信音ハ“愛が生まれた日”)

ルンルンな気分でメールを開くと、


2011/12/× 9:11

From 臣くん(←前後にハートいっぱい)
Subject 無題

牛すじ肉の赤ワイン煮込み
パッションフルーツ
   ―――END―――


と、打たれてあった。

たまに臣くんは、こんな感じで夕飯のリクエストメールを簡潔に送信してきてくれる。

理沙子が来る時間まで、まだ余裕はある。

パッションフルーツを検索して、おいしい見分け方なんかが載ったページをプリントアウトし、それからダッシュで買い物へと出かけたのだった。

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