愛し*愛しの旦那サマ。


「飲み会のばかぁ~っ!!」


やり場のない怒りを、取り敢えず飲み会という言葉にぶつけて、


「う゛ぅ……」


その場に塞ぎこむ私。


大体、なぜ。

今日という大事な日に限って、突然、飲み会なんて入るの?


そうか……

記念日特別献立が決まらなかったのは、全てはこんな展開を察した神様が私にこれ以上ショックを受けさせない為、晩御飯作りに手をつけさせなかったという、せめてものご配慮……

そう考えれば、何だか少しは救われ……


「……」


いやいやいや、ちょっと待て。

救われた思いになってる場合じゃない気がするヨ。

会社の飲み会という展開に嫌~なデジャブが―…

ちょっと記憶を撒き戻してみようか。


(マキモドシチュウ……)


「……!!!!!」


年度末の飲み会。

臣くんとタクシーに相乗りして、帰ってきた人物!

っていうか、わざわざ記憶を撒き戻すまでもない。

そうよ。

うちのご近所には、私の愛する旦那サマと同じ事務所勤めで、それにつけこんで、ほぼ毎日、行きも帰りも引っ付いてくれちゃってる……


“ F ” 


秘書藤枝がいるじゃないのっ!


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