愛し*愛しの旦那サマ。
煙草を手にし、喫煙スペースに入る。
一服すると少しだけ、“苛立ち”という感情が剥き出しになりそうな自分を抑えられる。
別に彼女が誰と楽しそうに会話をしようと、他の男から好意をもたれようと、自分には関係ないことだ。
彼女と会う度に、好きだの付き合ってだのと言われ続け、そんな彼女の真っ直ぐな言葉を突き放してきたのは自分自身で―…
彼女に言い寄ってくる男を目の当たりにしても、それは自分には関係のないことだ。
と、そう思うのに、今。
そんな光景を見て、自分の中にある苛立ちを自覚する。
彼女と彼女の隣りにいる男への苛立ち。
いや。
それだけじゃない。
何よりも―…
今さらになって、彼女を他の男に奪われたくない。
そんな感情に気付いた自分自身への苛立ちだ。