愛し*愛しの旦那サマ。

あまり眠くはないが、明日からの仕事に備えて寝ようと思う。

幸代に腕枕をしながら、目を閉じようとすると、


「臣くん、臣くん」


また幸代が俺の名前を呼び出す。


「何だよ……」


まだ何かあるのか、と、呆れつつ、今度は何を強請るつもりかと思う。


「ついでのついでに本日最後のお願いなんだけど……」

「だから、何だよ」

「言ったら聞いてくれる?」

「とりあえず言え」


そう言うと、仰向けになっていた彼女がごろりと、俺の方向に身体を向ける。

そして、


「愛してるって言って」


本日最後のお願いとやらを口にした。


「……」


そんな言葉に無言でいると、


「臣くん、夢の世界へいってらっしゃい状態になる前にお願いし……ま……す」


余程眠いのか、隣りを見れば、うとうととしながら口を開く彼女の姿。



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