愛し*愛しの旦那サマ。


PM20:00少し過ぎ。インターフォンが鳴った。

約半日ぶりに臣くんに会える~っ!!という、ウキウキな気持ちと、塚本―…また変な飲み会に私の臣くんを誘ってないだろーな……というダークな気持ちで、玄関のドアを開ける。

すると、


「いやー、幸代ちゃん、急にごめんねー!!」


と、現在司法書士事務所勤務で、スーツ姿の塚本が何時もの軽いノリで入ってくる。

っていうか、“急にごめんねー!!”とか絶対本心じゃない。


「おかえりなさい、臣くん」


と、臣くんに満面の笑顔を向けた後、


「あら、お久しぶり、塚本クン」


と、満面の偽笑顔を塚本に向ける。


「幸代ちゃんは相変わらず、大福みたいに可愛いな~」

「うふふ、塚本クンは相変わらずチャラ男オーラ全開ね」


何だか軽く火花が散ってるけど、それは何時ものこと。バチバチやりながら、リビングへと向かう。


「おー、結構イイマンションに住んでるねー」


リビングに入ると、辺りをぐるっと見渡して言う塚本。そう言えば、この新居に塚本が来るのは今日がはじめて。

結婚前に私が臣くんのマンションに転がり込んでた時は、私に気をつかう様子なんて微塵も無く、しょっちゅう押しかけてきては一緒にご飯を食べたりしていたっけ……

けど、まさか結婚してからまでもは無いわな~、無い!なんて思ってた私が間違いでした。


< 52 / 498 >

この作品をシェア

pagetop