愛し*愛しの旦那サマ。
一番の心の友、武井理沙子(旧姓、篠原)とは中学からの付き合いで、高校も大学も同じ学校に通ってきた仲だ。
ちなみに、理沙子も既婚者で、結婚歴は半年。
私と臣くんは結婚してまだ2ヶ月だから、奥様歴は理沙子のほうが少し上。お互いにまだ子どもが出来ていないので、理沙子の仕事が休みの日には、こうして我が家のマンション(臣クントノ愛ノ巣)でお茶を飲んだりしている。
そんな感じで新妻同士のティータイムを楽しんでいると、
「来るたびに思うけど、凄いね」
と、理沙子が手土産に持ってきたクッキーをつまみながら、リビングを見渡して言う。
「えー、何が?」
そんなに凄いものでも置いてあったっけ?
と、私も周囲をぐるりと見渡す。そんな私に、
「壁」
と、ソファーの後ろの壁を理沙子が指差す。
「?かべ??」
いたって、フツーの壁ですが?と首をかしげる私。
「いくら新婚でも、そんなに飾ってる家って今時珍しいと思うんだけど」
理沙子が指摘するその場所には、大事に大事にフレームに収められた写真さん達。