たとえ、これが恋だとしても~あなたとSweet sweets~
「惟、まだ眠ってるの?」



こんな無防備な顔をして眠ることがあるのだ。いつも大人の余裕というものしか見せない彼の別の一面を見たと思ったのだろう。亜紀の顔に嬉しそうな表情が浮かんでいる。そのまま、彼の髪に手を伸ばそうとした時、彼女の体はまたベッドの中に沈められていた。



「おはよう、亜紀。何をしようとしていたの?」



その声と同時に降ってくる優しいキス。触れるだけのそれがチュッという軽い音を立てて彼女の唇から離れていく。



「べ、別に何も……それより、離して。苦しい」



顔を見ると照れくささも出てくるのだろう。顔を赤くしながら、亜紀はそう訴えている。そんな彼女の髪をそっと撫でながら、惟は優しく問いかけてくる。



「あんまり亜紀が可愛いから、途中から加減ができなかった。無理させたよね。痛いところない?」


「う、うん……大丈夫」



口にすることで、否応なく行為のことを思い出したのだろう。先ほどよりも赤くなった顔で、亜紀がそう応えている。そんな彼女の顔を挟んだ惟が極上ともいえる笑顔を向けてくる。



「よかった。亜紀に無理させて嫌われたくなかったしね。もうちょっとしたらお風呂にはいって。その後、約束していた買い物に行こう。いいだろう?」



甘い甘い囁きが、亜紀の中にゆっくりとしみわたっていく。この言葉に頷かないはずがないだろう。そう思う彼女はコクリと頷くと、惟の体を抱きしめている。これで、身も心も一つになった。そんな思いが二人の中にはあるのだろう。ただ、静かに抱き合うことしかできないようだった。



to be continued



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