最後の夏休み Last Summer Days.
「ごちそうさま」



「お金持ってないよ」



「マジで? なら誘うなよ。



………てゆかこんなに濡れてたら入れてくれないか」



優しくて悲しい笑顔。



「じゃあ、家に来る? 着替えもあるし」



立ち止まっていたアタシを追い抜いて彼は歩いていく。



「もしかして、ナンパ?」



「そんなんじゃないよ」



いい具合に色褪せたジーンズ、白いシャツに透けるサーフブランドのタンクトップ。



全てが海水で重そうに濡れていた。


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