【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~
「なぁ~くみぃ~。」
「……。」
カツカツとヒールの音を響かせ、ズンズンとその足を進める私。
後ろから聞こえる先生の声が徐々に弱弱しくなっている事に正直気づいているけど。
でも知ってるんだから。
たまにフフフって笑う声が耳に届く。
きっと、反省してないに違いないっ!
すると、未だスピードを弱めない私に痺れを切らしたのか、後ろから聞こえる地面を蹴る足音が早まった。
グッ!
「…へっ!?」
途端に引っ張られた私。
一瞬何が起こったのか、すぐには理解できなかったけど。
ギュッと包み込む感覚とその香りは、トクンと私の中に温かい物を感じさせた。
…でも。
「しゅ…俊也さんっ!み、みんな見てるっ!」
「…だから?」
「だからって…。」
未だ緩めようとしないその力。
それどころか、より強くなるそれにまたもや恥ずかしい気持ちにさせられるのは、やっぱり私で。
「…くみが止まらないからでしょ?」
「~~~!??わ、分かった!分かったから!」
な、なんでこうなるの!
バクバクと騒ぎ出した心臓を両手で必死に押さえる。
すると、フワッと私を包み込んでいた力が抜けるのが分かった。