【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~
--事の始まりは数週間前。
「ちょっと…くみ。深刻な悩みって…。まさかソレ?」
「う、うんっ!」
「あんた…。そんな事で悩んでるなんて随分と平和ボケしてるじゃないっ!」
「なっ!!!?」
親友でもあるリサを誘い出し、訪れたのはOLさんに人気のパンケーキ屋さん。
行列が出来る程の評判に、”一度行ってみたかった”と快くOKしてくれたリサなんだけど…。
席について約1時間後。
やっとで”本題”を話し始めた私に、ハァ~と大きくため息をついて見せた。
「あの蒲生先生を”ドキドキさせたい”ねぇ~…。」
「………。」
モグモグと口いっぱいにパンケーキを頬張りながら、斜め上に視線を向けたままの彼女をジッと見つめる。
そんな私達が座る席以外からは、もうすぐやってくるクリスマスの話題ばかり。
”今年はどんなプレゼントにしよう”だとか…。
”今年はこんな風に過ごしたい”だとか…。
女子らしいその話題が繰り広げられる中、まるで”恋愛初心者丸出し”な自分の悩みに恥ずかしささえ感じ始めた頃。
ズズズッと音を立ててホットコーヒーを飲み干したリサがようやく口を開いた。
「勝負は…クリスマスね。」
「ク、クリスマス?」