【番外編】ロマンティックに抱きしめて。~ドキドキを貴方へ~
目を閉じコクンコクンと2度頷く彼女。
確かにクリスマスは恋人達にとってかけがえの無いイベント。
バレンタインデーやホワイトデーのように、一方からの気持ちを表すのでは無く2人楽しめるような…そんなちょっと”特別”な日だとは思うけど…。
「クリスマスに…何を?」
恋愛経験なんて片方の指で収まってしまう私にとって、クリスマスという日にどういう事をすれば相手が喜ぶかさえ、すぐには思いつきそうにも無かった。
そんな私に、またもや呆れた表情になったリサがため息をつく。
けれど、すぐにその表情は変わった…。
「そう言うと思った。だからね。私考えたのよ。」
「…何を?」
「クリスマスといえば、クリスマスパーティ!だからね。くみ、蒲生先生、私、桐谷先生の4人でパーティなんてどう?場所は桐谷先生の家っ!」
「えええ!?」
き、桐谷先生の家!?
”パーティ”と言う言葉にワクワクする気持ちが溢れる。
けれど…。
就職前。
私達の中で、ちょっとしたトラブルがあった桐谷先生。
その存在がメンバーとして入っている事に、先生は快く参加してくれるのだろうか…。
すると、そんな私の不安を察したのかニッコリ笑ったリサ。
「桐谷先生と蒲生先生の事なら心配しないで。案外、二人仲良しみたいだから。」
「そ、そうなの?」
きっと桐谷先生とお付き合いしている彼女が言うのだから本当だろう。
”仲良し”というその言葉に、胸の奥のモヤモヤがスッと消えたのが分かった。
「だからねっ!」
グッと体を前屈みにし、ニヤニヤと何やら企んでそうな彼女。
その手に持つフォークの先をクルクルと円を書くように回している。
そして、ジッと私の目を見て一言こう呟いた。
「蒲生先生に伝えて。当日楽しみにしててくださいねって♪」