オフィスの甘い獣(ケダモノ)
椅子に深く座り込んだ副社長にエスプレッソを出した。



「外から見ていると…君の顔が少し寂しげに見えたよ…母犬を探す子犬みたいだった」



「副社長…私は別に…」



「俺が居なくて寂しかったんじゃないの?」


「…確かに少しは寂しいと思いましたが…」



トレイを胸に抱き締めて…踵を返そうとした時…



「このパソコン立ち上げたいんだけど…パスワード…教えて…」


まだ、一度も副社長はパソコンを立ち上げていなかった。



「…口頭で教えるのは…メモに書きます…」



「俺の膝の上に座って…君がパソコンを立ち上げたらいいだけの話だ…おいで」



「あのう…それは…」



「ここも外から見えないよ…」




副社長は立ち上がって私の腕を掴んだ。

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