オフィスの甘い獣(ケダモノ)
ドアをノックする音。



私はそのノックの音に弾かれ、腰を上げて慌ててドアに走り込む。




「ゴメン…待った?」



「いえ…」



施錠したドアの鍵を開けて、副社長を入れた。




「会いたかった…」




「えっ!?」




副社長は突然、私を抱き締めた。


彼のいつものフレグランスと混じって煙草の匂いが漂うし、少し酒臭い。




「飲んでます?」




「…自分では酒は遠慮したかったんだけど…飲まされた…」



「…大丈夫ですか?」



「え、あ…大丈夫…気は確かだから…」







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